大人の修学旅行2017年秋(奥能登)(その3)
2017-10-21
今回の大人の修学旅行の目的のもう一つは無名塾「肝っ玉おっ母と子供たち」の観劇。
無名塾主宰の仲代達矢の集大成。

いきなりの舞台背景の扉が開いた状態からの開幕。

84歳とは思えぬ演技。
思わずスタンディングオーベーションをしてしまいました。
良い大人の修学旅行を堪能しました。
大人の修学旅行2017年秋(奥能登)(その1)
2017-10-21
仕事の締め切りなどで3カ月間、缶詰状態でしたが、ようやく少しばかりの開放に。
早速、加賀市の陶芸家夫妻と、大人の修学旅行。
奥能登国際芸術祭へ。

作品鑑賞パスポートを携えあれこれと。

奥能登国際芸術祭だけあって海に関する作品も多いです。
「最後の漂着神」(小山真徳)
鯨と破船を漂着物として一体化したオブジェ。かつては、それらは幸と吉祥をもたらしたそうです。

「小海の半島の旧家の大海」(岩崎貴宏)
空家の古民家に大量の塩を入れ、その塩が海面のように表現した作品。
床の間などの和室が全くの海に変わっている空間で、塩の海に浮かんだ漁船。


「海上のさいはて茶屋」(よしだぎょうこ+KINOURA MEETING)
風景が切り取られた茶室。
こんな茶室で茶を一服してみたいです。

「Something Else is Possible/なにか他にできる」(トビアス・レーベルガー)
子供のころ、テレビ番組で「タイムトンネル」がありましたが、それを思わせるトンネルです。


「Passing」(ウー・ジーツォン+チェン・シューチャン)
影絵です。漁網や漁具の影絵が時一刻に変わり続ける見ごたえのある作品です。
心に残ります。

「シアターシュメール」(南条嘉毅)
廃業した映画館を会場にした作品で、真っ暗な空間に音楽が流れ、日常の生活具がスポットライトで少しずつ浮かび上がらせる作品。
感性の良いものでした。

「静かな海流をめぐって」(奥能登曼荼羅)(金沢美術工芸大学アートプロジェクトチーム[スズプロ])
旧家の蔵に描かれた曼荼羅絵図。このまま残していても良いと思わせる作品です。

「Silhouett Factory」(角文平)
海を背景にし、珠洲の風景、祭、特産物、伝説などをモチーフにした切り絵。
上手く作られています。

「JUEN 光陰」(吉野央子)
かつてJUENというスナックでのインスタレーション。
少しばかり怖いです。

「神話の続き」(深澤孝史)
珠洲の海岸に流れ着いた廃棄物。鳥居に仕立てられています。
漂着神として伝えられているそうです。

「時を運ぶ船」(塩田千春)
作品は部屋一面に張り巡らされた赤い糸の作品。
気の遠くなるような作業です。ほんの一部。

「サザエハウス」(村尾かずこ)
一軒の小屋一面にサザエの貝殻を張り付けれれた作品。
内部空間もサザエの貝殻の中にいるような空間。

「さいはての「キャバレー準備中」」(EAT&ART TARO)
キャバレーはかつて、画家や詩人などのアーチストが集まり酒を飲んで談義する場だったそうです。
会場はフェリー乗り場の施設だったもので、その後少し前までレストランとして営業されていたものです。
何とも言えない素敵なレストランです。
会期後も、こんなレストランがあれば、珠洲へ何度も足を運びたくなるような「キャバレー」です。

駆け足で巡った芸術祭。
心に響く良い作品が多くありました。
大人の修学旅行2017年秋(東京・古民家)
2017-10-31
杉並区郷土博物館へ。目的は「石井桃子 生誕110年 記念特別展」見学。

見終わった後、併設されている古民家に。

何気なく足を運んだのですが、ボランティアの方としばしの古民家談義。

軒の深さや。

無双窓。

民具。

十三夜にお供えする、月見団子と秋のめぐみ。

10月は神無月と呼ばれているために、この月にだけ奉る神棚。
思いがけない、勉強になりました。
大人の修学旅行2017年秋(東京・牧野富太郎記念館)
2017-10-31
牧野富太郎の「牧野記念庭園」へ。牧野富太郎のファンでもあるし、施設の建物の設計は内藤廣でもあり、是非とも訪ねたいところ。

東京郊外でしたが足を延ばして。

いろいろな植物がある庭園内に、内藤廣設計の建物が点在。

管理事務所。

ちょっと無骨ですが森の中の小屋をイメージします。

記念館本館の回廊。
東京や安曇野の「ちひろ美術館」、御殿場の「とらや工房」で見たいつもの格子ルーバーのある屋根。
心地よいです。

屋根をキャンチレバー(持ち出し)にして建物から離しています。

独立したデザインから軽快さが伝わります。
コンパクトで有りますが、内藤廣のエッセンスを感じ取れる、良い建物でした。
大人の修学旅行2017年秋(東京・日本の家展)
2017-10-31
東京国立近代美術館で開催されている「日本の家」展へ。
1945年以降の日本の住宅を設計原図や模型、写真パネル等で解説。

図録も充実しています。

篠原一男の「白の家」の写真パネル。
数年前、施主の方のご厚意で、見学することが出来ましたが、名住宅です。

清家清の「斎藤教授の家」の原寸大の再現。
縁側、居間、ダイニング等の一体空間とポイントとなる柱。
身を置いて庭とのつながりを想像してみると、本当に良い空間です。

安藤忠雄の「住吉の長屋」。
直前に「安藤忠雄展」に足を運んでいろいろと作品を見ましたが、この初期作品が代表作品の一つになっていることが素晴らしいです。


藤井博巳の「宮嶋邸」。

大学研究室を終了後、藤井博巳のアトリエで修業を積みましたが、アトリエの前にこの宮嶋邸が建っていて、毎日眺めていました。

この宮嶋邸が、藤井博巳の代表作であることは間違いありません。

伊東豊雄の初期作品「中野本町の家」。
これも、伊東豊雄の「軽さ」を表現した良い作品で、今もそのコンセプトは変わらないようです。

会場には、A・レイモンドから現在活躍している建築家の作品がありましたが、まさに百花繚乱です。

ファッションのようになっている、現在の建築作品を眺めていると、本当の「家」とは何かを考えさせてくれる良い機会の展覧会でした。
大人の修学旅行2017年秋(東京・安藤忠雄展)
2017-10-31
この秋、大人の修学旅行続きで、今回は東京編。
国立新美術館で開催されている「安藤忠雄展」へ。

見ごたえのある展覧会です。

「光の教会」の原寸大の再現。
ちなみに、この展示物は、建築確認申請上、増築扱いだそうです。

安藤忠雄作品の私見で、初期作品は、箱(ボリューム)と壁(面)の間の空間(間・ま)を表現していて、最近は「穿つ」による空間と解釈しています。

90作品余りをつぶさに見て、改めてその空間表現が感じ取れました。

やはり、ストレートな建築表現が大切です。
梯剛之 ショパン・リサイタル2017
2017-10-31
今回の大人の修学旅行の一番の目的は「梯剛之 ショパン・リサイタル2017」。
オールショパンです。
最近、いろいろな方の演奏会に足を運びますが、やはり梯剛之さんのピアノの音色は格別です。
アルファ波があります。

演奏会の後半は「クァルテット・セレシア」との共演。
一般的にはオーケストラの「ピアノ協奏曲第1番」ですが、今回は弦楽四重奏です。
やさしい音色の良いコンサートでした。
11月末に、ヴォルフガング・ダヴィッドさんとのデュオ・リサイタルが小松で公演予定です。
チケットはほぼ完売していますが、梯剛之さんの演奏を聴けるのが楽しみです。