大人の修学旅行2017年2月(その1)
2017-03-01
今回は、横浜市庁舎。設計は村野藤吾。

見どころは、柱と梁をグリッドに見せ、茶褐色のタイルで面を作ったところ。
世界平和記念聖堂や、解体で騒がれた八幡市立図書館の当時の村野藤吾の手法の一つです。

面は単調にならないように窓やバルコニーの凹を配置し、リズミカルなファサードを作り出しています。
また柱は上階につれ、断面が小さくなっています。

存在感とインパクトがあって、品が感じられる建物です。

中のホールは2層吹き抜けで一面は装飾画タイルです。
作は辻晋堂。建設年が1959年で約60年前で時代を感じさせてくれる装飾タイル画です。

階段は後の村野藤吾のデザインに結びつく、軽快につくられています。

この大人の修学旅行は、カテゴリー分けをしてから101回目です。
村野藤吾作品では、谷村美術館、兵庫県立近代美術館(現:原田の森ギャラリー)、小山敬三美術館、八ヶ岳美術館。
箱根プリンス、箱根樹木園休息所、宝塚カトリック教会。
千代田生命本社ビル(現目黒区総合庁舎。)、宝塚市庁舎。
そして今回の横浜市庁舎を見て廻りました。
心に残る建築ばかりです。
先程の八幡市立図書館や谷口吉郎のホテルオークラなど、時代と共に姿を消してゆく運命の名建築が数多くあります。
今のうちに私の中での記憶に残しておきたく、少しでも多く名建築を見ておきたいです。
大人の修学旅行2017年2月(その2)
2017-03-02
今回は神奈川県立音楽堂と図書館。設計は前川国男。

建設されたのは1954年。私と同い年です。

建物はL字型で音楽堂と図書館とがつながれています。

プロポーションはとても軽妙です。

外壁や屋上手摺に穴あきブロックを使い軽妙さを作り出しています。

渡り廊下の床スラブはリブ状のスラブにして梁を無くしています。

穴あきブロックの壁面の表情がやさしくなって。

直射の光を遮り、風を通す、格子やルーバーの役割をしています。

音楽堂内部のホワイエは上階のホール座席の勾配に合わせて壇上に。

60年経っても県民に愛され続けられる名建築です。
大人の修学旅行2017年2月(その3)
2017-03-03
今回は横浜ランドマークタワーの真下にある「旧横浜船渠株式会社第二号船渠(ドック)」。
建築物と言うより土木工作物。

石積みされた深さ約10メートルの船を修理するために造られたドック。
民間最古のドックで近代遺産にも選ばれたもので、ローマのコロセウムを思い浮かべそうなもの。

建築を設計することは一般的に地上に現れるものですが、これは反対に掘られたもの。
図と地の関係のようなもの。
どのように建造されたか興味深いです。

このドックに石膏やウレタンを流し込んで裏返して地上に置くと面白いものが立上りそうです。
さらにもうひとひねりイメージして、建築物を逆さにして石膏やウレタンに押し込んで出来上がった形ではどんな建築が面白いか。
国立代々木競技場なんかは面白そうです。
大人の修学旅行2017年2月(その4)
2017-03-04
久しぶりの横浜です。
「みなとみらい」周辺はとても楽しいところ。
ホテルがあり、大観覧車やジェットコースター、メリーゴーランドなど遊園地と街が一緒になったところ。

遊園地の感じはコペンハーゲンのチボリ遊園地へ行った時をを思い浮かべます。

夜景もきれい。

大観覧車からの風景も格別。

夜の街を歩けばイルカのイルミネーションが目を楽しませてくれます。

学生のころ横浜へ遊びに行くと言えば、石川町で降りて山下公園へ、だったものが。

かつての港湾を整備し、まさしく「みなとにらい」に変わり、多くの人が。
![DSC_01042010-05-30_21-25-102010-05-30_21-25-10[1]](https://blog-imgs-121-origin.fc2.com/k/a/g/kagakusha/201703040808394f1s.jpg)
テーマがあってそのテーマに外れない計画。
素晴らしいです。
ちなみに、最後の写真は7年前にのランドマークタワーのホテルに泊まったときの写真です。
木場潟ウォーキング3-4
2017-03-04
陽気に誘われ木場潟散歩。
何気のない風景でもスマホでパチリパチリと。

モノクロに編集し、正方形にトリミング。

アートに見えます。

今日のリスニングは、バッハ:無伴奏ヴァイオリンパルティータ他(イザベル・ファウスト)
アトリエの住まい
2017-03-05
アトリエに住まいを始めてかれこれ33年。
私の29歳の時に設計をした住宅。

いつの間にやらギャラリーのように、いろんな作家の作品や譲ってもらった骨董物。

設計の際、施主の方には「建築に凝らなくて良いです、むしろ物を飾る背景になるように作ったほうが長く飽きなく住むことが出来ます」と伝えます。

少しずつ自分の気に入ったものを飾り、時が過ぎたら別のものを飾る。

30年の歳月が過ぎましたが、いつまでも新しい気持ちで住まい続けています。
木場潟ウォーキング3-5
2017-03-06
今日は一眼レフカメラをぶら下げて木場潟散歩。
クロガモが陸に上がって散歩。
とても微笑ましい光景です。

今日のリスニングはバッハ:パルティータ(チェンバロ:辰巳美納子)
木場潟ウォーキング3-5(その2)
2017-03-07
木場潟の梅林には花が少しづつ開花。
ピンク色の梅。

白梅。

色が混ざった梅。

上手い具合にメジロがやって来て。
今日のリスニングは前回の続きで、バッハ:パルティータ(チェンバロ:辰巳美納子)
カレンダー
2017-03-08
いつの間にやら3月に入っています。今日はカレンダーの話。

このカレンダーは、20年ほど前に前橋にあるヨーロッパの骨董を扱っているお店で買ったもの。
普段は動かすことがありませんが、お気に入りの日替わりカレンダーです。

こちらは友人の版画家、寺田一行さんのカレンダー。
20年近く毎年いただいているアートなカレンダー。
素敵です。

こちらは友人のヨーロッパ土産で頂いたカレンダーでいろんな絵本作家の絵が描かれています。

実は2013年のカレンダーですが、絵が素敵なので曜日に関係なく飾って使っています。

最後に、家楽舎で製作しているカレンダーで、毎年施主や友人にお配りしているものです。
最近はスマホなどで日にちがわかりますが、素敵なカレンダーを飾っていると日々の愉しみが増えます。
牧野富太郎
2017-03-09
先日Y婦が、「あうん堂」さんで貴重な本をゲット。牧野富太郎著の「原色少年植物図鑑」。

学生には「学生版植物図鑑」、詳しく植物を調べたい方には「牧野日本植物図鑑」とつくられていましたが、少年少女に植物に親しんでもらいたいと91歳になって書きあげられたもの。(初版、昭和28年)

320種の植物を分かりやすく解説し、その植物にちなんだ文章も書き添えられ、楽しい本です。

牧野富太郎は植物学者ですが、緻細な植物画、いわゆるボタニカルアートも描かれています。
観察力のすごさを感じます。

5年ほど前に、生誕150年に発売された切手ですが、これらは私のコレクションの大切な一つです。
木場潟ウォーキング3-12
2017-03-12
今日は久しぶりの晴れの休日。ここ数日寒い日が続いていたので木場潟湖畔には多くの人達が思い思いの休日を。

犬との散歩。

子供たちは思いっきり走り回って。

仲の良い兄弟はシャボン玉で。

日中、ずぅーと絵を描いて。
市民に親しまれている木場潟公園です。
今日のリスニングはバッハ:平均律クラヴィーア(キース・ジャレット)
巣箱にシジュウカラ。
2017-03-13
昨年設置し入居者募集中の巣箱にシジュウカラが。
何度か興味を持って入口の枝に止まるのですが、なかなか入ってくれません。

昨日の午後、陽気に誘われて。

ようやく下見に入りました。

中から外への様子を見渡し。

出入りの感じを確認しながら。

内覧会、オープンハウスです。

現場からの中継でした。
大人の修学旅行2017年3月
2017-03-19
今回の大人の修学旅行は「多治見モザイクタイルミュージアム」設計は藤森照信。

タイルは土からつくられることから、土の山の断面と採掘のために地面が掘られていることを表した外観。

強烈なデザインです。
お山には木も生えています。

土塗風の壁には茶碗やタイルの破片が埋め込まれています。

小さな入り口は愛嬌たっぷり。

中での順路は、いきなり最上階の4階へと。
目に飛び込んでくるものは、クモの巣のようなもの。

良く見ると、モザイクタイルの連鎖。

モザイクタイルの壁画に、テーブルにスツール。

見ていて楽しいです。

コンセプトが崩れず上手く作られています。

階下に降りると、モザイクタイルの見本市。

並べられたものを見ていると、設計に取り込みたくなります。

1階の壁はボーダーになっていますが、良く見るとグレー部はコンクリート打ち放し、白部はコンクリートを凹ました上に漆喰。
品のある仕上です。

大人の修学旅行では、これまでに神長官守矢資料館・高過庵・空飛ぶ泥舟・秋野不矩美術館・ねむの木子供美術館・たねやラコリーナと藤森照信の作品を見て廻っています。
どれもがインパクトがあって感服します。
普段建築の仕事をしていると型にはめ込まれた「建築」というカテゴリーに縛られており、フジモリ建築を見ていると、いつもこれでではイカンと感じます。
この刺激、次の設計に取り込みたいです。
河津桜
2017-03-20
日曜日の木場潟散歩で河津桜。
ソメイヨシノより一足先に開花する河津桜。

数年前にY先生の伊豆の別荘へ遊びに行った際に近くで「河津桜祭り」があると聞いて初めて知った桜。

まだ大きくはなっていませんが、これから大きな木になり木場潟公園の名所になるかも。
岩谷雪子さんの「箒とオブジェ展」
2017-03-20
今回多治見へ行った目的の一つは、岩谷雪子さんの「箒とオブジェ展」。
ギャルリ百草にて。

初めて岩谷雪子さんの作品を知ったのは、何年か前の金沢21世紀美術館での生活工芸展の時に置かれていた箒。

いいものを作られているとの第一印象。
実は私の大学時代の友人夫人。

早速、葦で出来た刷毛をゲット。
木場潟にも葦がたくさん生えていますが、岩谷雪子さんの手にかかればアートに。

もう一つは、どうしても実物を見たかった植物オブジェ。

イベント会場の近くで採集した植物を、オブジェにしたもの。
植物の持っている素材感を彼女の感性で作り上げた素晴らしいアートです。

高価なものを求めるのではなく、身の回りにある植物を自分の感性で見つけて、何かにすること。
良いものを見てきました。
ドライブスルー
2017-03-22
設計依頼の中で、土地探しからが数多くあります。一年ほど前に、私の同級生のご子息が私のところへ訪ねてこられて住宅を考えていると。
土地は決まっていなく、3世代が住まう住宅で、全体予算からすれば土地代に1000万円で考えられないかと。
ハウスメーカーに相談していましたが、一蹴されて、頼みの綱と来られました。
半年ほどいくつかの物件を見て廻りましたが、どれも満足する敷地がなく辛抱強く探しました。

その中で、今回進めている敷地がインタネット上で見つけたのですが、前面道路は狭く、用水路で行き止まりで、駐車の車回転を考えると難しい敷地でした。
フト見ると敷地の奥に使えそうもない細長い敷地があり、その先は道路とつながっています。
そこでひらめき!
車をドライブスルーできないかと。

それが、昨日ようやく上棟。

用水があるおかげで、涼風が吹きプライバシーの不安も解消。

1階は屋根付きの車庫で2階にリビングとテラス。

この変形の細長い敷地は、建蔽率の確保にも一役。

2階テラスからの眺めもいいです。
どうにもならないような敷地でも知恵を絞れば楽しいものになります。
マイナス要素をプラス要素に変える。
建築設計の醍醐味です。
人生フルーツ
2017-03-23
昨日、プレミアムウェンズデーでY婦とシネモンドへ映画を。
タイトルは「人生フルーツ」。

シチュエーションは建築家で雑木林の中の木造平屋に住み、建築家アントニン・レイモンドを尊敬する、津端修一さん90歳と英子さん87歳の夫婦の実際の生活物語。
これは見ずにはいられない映画と。

長年連れ添った夫婦の、四季折々、キッチン、ガーデンのある生活。
4度出てくる、樹木希林のナレーションのフレーズ。
風が吹けば枯葉が落ちる。
枯葉が落ちれば土が肥える。
土が肥えれば果実がなる。
こつこつゆっくり。
人生フルーツ。


そして他にも出てくるフレーズ。
むかし、ある建築家が言いました。
「家は、暮らしの宝石箱でなくてはいけない。」(ル・コルビュジェ)
「全ての答えは、偉大なる自然にある。」(アントニオ・ガウディ)
「長く生きるほど、人生はより美しくなる。」(フランク・ロイド・ライト)
村野藤吾93歳まで、フランク・ロイド・ライト92歳まで。
こつこつ、ゆっくりと歩く準備をし始めねば。
クリスマスローズ
2017-03-24
Y婦の育てているクリスマスローズが見頃に。
品種が沢山あり、ハマる人にはハマる園芸種です。

種を買って育てているものや、苗を買って育てているもの等。

管理が大変そうです。

クリスマスローズの花は下向きなので、写真を撮るときも大変です。

しかし育てた花を見ることは愉しいです。