砺波市立図書館
2022-06-11


設計は三上建築事務所。
国道に面して軒の深い平屋の大屋根が町並みを作っています。

内部は大胆な曲面天井。

サイドトップライトから光が館内を明るくしています。

光の取り入れ方のコントロールがうまいです。

平屋屋根の高くなっている所はロフト風のスタディーコーナー。

書架のある所との区分けもうまくしています。

赤ジュウタン部はエントランスホール。フローリング部は飲食可能なラウンジと緩やかに区分け。
奥にある部屋は多目的会議室。仕切りのガラスは可動式パーティション。開け放てばエントランスホールと一体空間に。
工夫された良い図書館です。
富山県美術館
2022-06-11

設計は内藤廣氏。

これまでの内藤廣氏の建物の構造を見せ表現する作品とは少し異なります。

エントランスはピロティの回廊からです。

建物のボリュームが大きく威圧感がなく入って行けます。
また、雪や雨の日にも有効です。

シルバーの壁と芝生の緑の間を、緩やかな階段を上って2階の庭園へ、。

緩やかな円弧の壁。心地よいです。

内部2階ホールの吹き抜け階段。

光が差し込み気持ち良い空間です。

サッシュの影も。

3階通路の壁面は木製の竪格子。天井も木目。
これまでの空間が無機質でありましたが、このような仕上が現れるとホッとします。

裏に回り2階の通路。
鉄錆び色のボリューム。
いろんな表情を付けています。

屋上に上がればアートなオブジェ。楽しそうです。
下の写真は、撮影可能な展示物。



手に入れたくなるコレクションばかりです。
福井県年縞博物館
2022-06-11
瀬戸内・四国の旅-18
設計者は内藤廣氏。2018年。

地形を利用して、ピロティ―とし一直線上の切妻の建物を浮かせたデザインです。

軒を深くした屋根とガラス面とコンクリートをシンプルにまとめています。

単調になりがちの屋根にバランスよくトップライトを設けています。

アプローチキャノピーは内藤廣しのいつもの軽快な木製ルーバー。

ピロティの天井部もコンクリート打ち放しであるが威圧感なく造られています。

年縞とは、「水月湖」の湖底に堆積した7万年分の地層のことです。

堆積した7万年分の45mの年縞を垂直に掘り進んで採取し、薄くスライスして水平に展示しています。

展示方法も、垂直のものを水平にと、発想の転換で素晴らしいです。

屋根は内藤廣氏の得意とするトラス構造をリズムよくデザインしています。

今回の四国・瀬戸内海の旅の大人の修学旅行では数多くの建築を見て回りました。
良い刺激となりました。
宝塚カトリック教会
2022-06-11
瀬戸内・四国の旅-17
設計者は村野藤吾。1965年

地元では「白くじら」の愛称で親しまれているらしい。

村野藤吾の曲面建築の代表建築です。

内部の天井は板でうねるようになっています。

外部からの光が天井を照らし全体を照らしています。

入口のデザインもいい。
受付でいただいた資料から、大切に使われていることがうかがえます。



2度目の見学でありましたが、村野藤吾の素晴らしさを改めて実感しました。
兵庫県立美術館
2022-06-11
瀬戸内・四国の旅-16
設計は安藤忠雄氏。2022年。

安藤忠雄建築は、コンクリートのボリュームに隔てられたコンクリートの壁を立てて余白をつくり、そこに光を落とし込み空間が生まれる手法が大きな特徴です。

この兵庫県立美術館は、これまでの手法とは少し異なり、直方体を3つ並べ、壁はコンクリート打ち放しではなく、ガラスカーテンウォールとなっています。

これまでの表現に対しインパクトが弱いように感じられます。

直方体の間に増築して「安藤忠雄ギャラリー」。

これまでの安藤忠雄氏作品の模型や写真パネルなど。

そして、最近いろんな図書館・絵本館で作られている吹き抜けに設けられた本棚。
今回の大人の修学旅行のコースには安藤忠雄建築が数多くありましたが、唯一見学した建築でした。
ヨドコウ迎賓館
2022-06-11
瀬戸内・四国の旅-15
設計はフランク・ロイド・ライト。1918年。

山邑別邸として建てられた住宅を、淀川製鋼の迎賓館として現在公開中。

外観は大谷石を使い、いかにもライトの作風。

応接室室内はマホガニー調の木材と大谷石とおそらく漆喰だったと思われる壁。

残念なことに漆喰はツヤのある吹付に塗り替えられ、シックさがまったく無くなってしまっている。

細かい細工にはライト独特の装飾。

和室は、畳が敷かれている故に和室であるが、ライトデザインをそのままに押し込められている。

欄間も。
2度目の見学でしたが、ワクワク感が依然と比べて弱かったような気がします。
http://kagakusha.blog80.fc2.com/blog-entry-1095.html
禅坊靖寧・陽燦燦
2022-06-11
瀬戸内・四国の旅-14禅坊靖寧

設計は坂茂。

高知からの帰りの途中経路で何かないかと調べていたら見つけた作品。

何人もの人が敷地内に入って撮影しているので何気に建物の写真を撮っていたら関係者がNGと。
素晴らしい建築です。
もう少し見学をしたかった。
陽・燦燦

これも設計は坂茂。

茅葺屋根の外観。

内部は、坂茂お得意の紙管パイプです。

よく見ると、紙管パイプの中は木や鉄骨の柱や梁となっており、構造材は紙管パイプではないようです。
紙管パイプは垂直方向の力には強いが、横架には弱い。
当然、このようなことになるのだろう。

ちょっと複雑な気持ち??
JR高知駅舎大屋根
2022-06-11
瀬戸内・四国の旅-13
設計は内藤廣氏。2009年。

内藤廣氏はJR日向駅舎や、馬車道駅などいくつかの駅舎を設計しています。

牧野富太郎植物記念館を高知市で設計され、引き続きの作品。

木造の大アーチを鉄骨で補強しています。

内藤廣氏は構造を美しく建築化しており、この高知駅舎大屋根もしかりです。

構造を本当に理解し、大胆に作り上げる。

内藤廣氏の建築の魅力はそこにあると思います。
牧野富太郎記念館
2022-06-11
瀬戸内・四国の旅-12
設計は内藤廣氏。1999年。

今回の大人の修学旅行のもう一つの大きな目的の一つ。

中庭をすり鉢状の円弧に深い軒を付け、実際の建築に一度立ってみたかった建築。

想像していた通り心地よい中庭です。

2階のデッキの中央には、1階中庭から伸びてきた竹。

設計意図がそのまま時間と共に作られています。

1階の中庭から見上げれば、こんな風に。

各棟をつなぐキャノピーもいつものデザイン。

内部は撮影禁止があり、今回も配布の「建築案内チラシ」から。

読み解くと、構造は単純であるが、発想が素晴らしい。

建築を理解できるチラシが置かれていることにも感心。

ようやく念願が叶った大人の修学旅行の一つです。
東山魁夷せとうち美術館
2022-06-11
瀬戸内・四国の旅-11
設計は谷口吉生氏。2004年。

信濃東山魁夷美術館(現長野県立美術館)へは以前に足を運んだことがありましたが、今回の瀬戸内・四国の旅の一つとして。

瀬戸大橋のたもとにあり、最高のロケーション。

谷口吉生氏ならではのシンプルで美しい建築。






爽やかな風が吹き青空で、谷口吉生建築がより引き立っていました。
猪熊弦一郎美術館
2022-06-11
瀬戸内・四国の旅-10
設計は谷口吉生氏。1991年。

JR丸亀駅の真ん前に立つ美術館。
写真で見たものとの印象が違って見える。
ピーター・ウォーカー氏のランドスケープデザインとしてつくられ、門型はグレー色で水のカーテンが落ちていたのに青色に塗り替えられ。円状の池があったはずなのに花壇???
丸亀市に住む友人に尋ねたら、市長が変わったらこんな風に変えられたとか。
どこでもありがちではありますが残念。

美術館そのものは、イメージ通り。

前庭はオブジェが配置され。

突き当り壁には猪熊弦一郎の壁画。

インパクトたっぷりです。

側面は、一変してシルバーとガラスの外観。図書館です。

円筒はエレベーター。イカシテいます。

内部に入ると、谷口吉生ワールドです。






美術館のボリューム横には吹き抜け階段があり、上部のトップライトから光。

トップライトサッシュの骨組みの影が美しい。

こんな空間が市民に開放されていて羨ましい限りです。

屋上も羨ましい。

今回の大人の修学旅行の大きな目的の一つ。
昨年は改修中で長い間の閉館。ようやく念願が叶えました。
香川県庁舎
2022-06-11
瀬戸内・四国の旅-9
設計は丹下健三。1958年完成・2019年改修。

丹下健三の初期の傑作作品。

かつて近代建築の日本伝統論争の対象になったもの。
梁や柱をコンクリートで作ることが日本の伝統か、精神が日本の伝統か。

そのようなこととは別に、美しい建築です。

幅10cmほどの小梁が精度よく。宮大工が型枠を組み、入念なコンクリートの打設。
職人技です。
これこそが日本の伝統を継いでいるような気がします。
そして、60年経った現在でも美しく、新しく。

1階ホールには猪熊弦一郎氏の陶壁画。

現在も美しい。
案内所で頂いたパンフレット資料。



県民の誇れる建築となっているようです。
イサムノグチ庭園美術館・ジョージナカシマ記念館
2022-06-11
瀬戸内・四国の旅-8イサムノグチ庭園美術館。
ようやく訪れることが出来ました。


施設内の作品は撮影禁止で、パンフレットから。

唯一撮影可能な作品。

彫刻作品はどれも素晴らしい。
積上げられた石垣も。
来て本当によかった。
もう一つジョージナカシマ記念館。



これもパンフレットから。
施設は桜製作所がされていて、丁寧に解説をしていただき、より深く理解できました。

これは、買い求めた絵葉書。
高松には良い美術館・記念館があり、大満足でしたが、撮影禁止ばかりで少し消化不良気味です。
豊島美術館と島キッチン
2022-06-11
瀬戸内・四国の旅-7豊島美術館

アーチスト内藤礼氏と建築家・西沢立衛氏の作品。

広さ約40×60m、最高高さ4.3mの空間に柱が1本もないコンクリート・シェル構造で、天井にある2つの開口部から、風や音や光を取り込み、自然と建物が呼応する空間。
床は水をはじく床仕上げとなっており、そこから小さな水が噴き出し水滴は勾配に従がってとゆっくりと動く。
音が反響して小さな音でも聞こえ、遠くでの水滴の排水音が空間全体に響き渡る。
いつの間にか1時間もそこに滞在。
内部は撮影禁止で写真が載せられないのが残念。
これを発想した内藤礼氏のすごさを感じる。
https://benesse-artsite.jp/art/teshima-artmuseum.html
島キッチン

設計は阿部良氏。
義弟の丸の内ホテルの総料理長監修していますが、残念なことに休日。
ゆっくりと食事をしたかった。
海の駅なおしま・直島港ターミナル
2022-06-11
瀬戸内・四国の旅-6海の駅なおしま

設計は妹島和世+西沢立衛/SANAA。

細い鉄骨柱がスクエアに並び、薄くつくられたデッキプレートの屋根を支えている。
なんとも軽快な建物です。
直島港ターミナル

こちらも設計は妹島和世+西沢立衛/SANAA。

FRP製の球体を積み上げたようなターミナル。
内部構造は木のフレームで。

海の駅なおしまには流されてなくなった黄色のカボチャが赤色カボチャに。
お出迎えです。
The Naoshima Plan 「水」
2022-06-11
瀬戸内・四国の旅-5
設計は三分一博志氏。

開館時間が遅かったのであきらめていたところ、裏通りの一角に竹小舞の塀があり、のぞき込んでみたらThe Naoshima Plan 「水」がひょっこりと。

「水」をテーマにした三分一博志氏の理念の一つが垣間見れた。
ラッキー。
護王神社
2022-06-11
瀬戸内・四国の旅-4
設計はアーチスト杉本博司氏。2002年。
「家プロジェクト」一つ。

社の周りは大きな白玉石が敷かれている。

本殿はガラスの階段で登ってゆくが、この階段、地面下の石室とつながっており、地下と地上とが一つの世界を形成するとして考えられてつくられたようです。
最終的には、拝殿の床に重さ24トンの大きな平石を置き、フタがされている。

杉本博司の美意識が小さな山の頂にたたずんでいる。
直島ホール
2022-06-11
瀬戸内・四国の旅-3
設計は三分一博志氏。

開館前に訪れたのでホール中には入れなかったが、外観だけでも十分素晴らしさが分かる。
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この施設はホール棟と集会場棟の2棟で構成されており、手前がホール棟、奥が集会場棟。
(その上に顔を出している変わった建物は別の建物。)

ホール棟は何とか見学ができ。トップライトから差し込む光がとても印象的。

太陽光・風・地下水等の自然エネルギーを積極的に活用した三分一博志氏の理念が表現されている。
こんな施設を直島の町民が利用できることは羨ましい。
犬島精練所
2022-06-11
瀬戸内・四国の旅-2
設計は三分一博志氏。2008年。

1909年に犬島製錬所が創業し、最盛期には島の人口は約5000人にもおよんだといわれる。
しかし、銅の価格の大暴落により製錬所は10年で閉鎖。

その近代化遺産である銅の精錬所跡を保存、再生し美術館として。

既存の煙突やカラミ煉瓦、太陽や地熱などの自然エネルギーを利用てつくられている。

カラミ煉瓦とは、銅の精製に伴い生じる廃棄物から作られたレンガのことで積み上げられた塀は力強い。

そこに美術館があるが、撮影禁止ばかりで、写真が載せられないのが残念。

感動する仕掛けがつくられている。

代わりに。
https://benesse-artsite.jp/art/seirensho.html
奈義町現代美術館
2022-06-11
2022年5月に久しぶりの大人の修学旅行。瀬戸内・四国の旅-1


設計は磯崎新。1992年の作品。

幾何学形態のボリュームを大胆に作っています。

館内に入ると宮脇愛子氏の作品でお出迎え。

ステンレスワイヤー作品が水盤に揺らいでいます。

外観で見た円筒状の中は、荒川修作+マドリン・ギンズ氏の作品。

京都の龍安寺が曲面にへばりついて。

床が斜めで、曲面で、空間が天地が分からず、空間識失調症のように。

岡崎和郎氏の空間。
曲面の壁による音の反響が不思議な体験をさせてくれます。
説明が不十分のようなのでパンフレットから。


磯崎新氏の作品を久しぶりに見ましたが、表現がストレイトで、改めて良さを感じました。
軽井沢聖パウロカトリック教会
2019-11-03
設計は井上房一郎邸設計と同じアントニン・レイモンド。1934年。
レイモンドは教会をいくつか設計していますが、こじんまりとしたいい教会です。

内部はレイモンドお得意の丸太を使い、大きな空間を支えるためにハサミを開いたような斜め梁を交差させシーザーストラスという構造にしている。
単純な構造が大きな空間を醸し出している。
井上房一郎邸。アントニンレイモンド
2019-11-03
久しぶりの高崎。高崎には、井上房一郎の功績。

井上邸。設計はレイモンド。

2度目の見学。

レイモンドの特徴の鋏状小屋組。

細い部材ですが、しっかりした構造に見えます。

頬杖をつけることによって軒の出深くしています。

建物中央部にもうけられた、テラス。
いっぱい参考になるものがあります。
洗心亭。ブルーノタウト。
2019-11-03
井上房一郎のもうひとつの功績。
ブルーノタウトの洗心亭。

二間の小さな建物ですが、見晴らしの良い所にたっており、建物は広さだけではないと感じさせます。

レイモンドとタウト。
不思議な繋がりが井上房一郎によって、結ばれています。
ベタなおのぼりさん
2019-09-09
今日の東京見物。
朝食は、築地市場で。

朝からちょっと一杯。

次は浅草、雷門。

スタルクのアサヒビールのビルとスカイツリー。

隅田川を水上バスで下り、ベタなおのぼりさんコース。
なかなかよい、行き当たりバッタリの見物です。
ホリデイ
2019-09-08
東京での休日。
まず、レオ.レオーニ展。
絵本作家のみならず、グラフィックデザイナー、彫刻家などのいろんな側面が垣間見る素晴らしい展覧会。

ランチは、新宿アカシアで、ロールキャベツシチュー。40年ぶりの懐かしの食事。

午後からは、福音館書店の「かがくのとも」50周年展。
こんな良い本が、子供のときにあったら、もう少しまともな大人になっていたかも?

最後は本命の梯剛之さんの東京文化会館小ホールでのコンサート。
どの演奏も素晴らしく感動。
充実の一日です。
箱根プリンス
2018-06-03
先日ザ・プリンス箱根芦ノ湖へ。旧名「箱根プリンス」。設計は村野藤吾。87歳の時の設計、1978年完成。

今回が2度目です。
40年前の完成当時、大学を卒業して東京の設計事務所に勤務したての頃、建築専門誌に発表され、とても衝撃を受け何とか足を運び宿泊をしたいと思いましたが、給料が安くて、独身でもあったため、遠い夢となっていました。

念願かなって4年前、宿泊でき完成当時と同じ姿の建築を見ることが出来ました。

今回は、ピアニスト梯剛之さんのファンクラブ主催のコンサートが当ホテルで開かれると言うことで、なんとしてもと参加。
全国から60名近くのファンが集まり素晴らしい空間に素晴らしい演奏を愉しみました。

私にとっての夢のコラボです。
至福の贅沢な時間でした。
「開拓者の家」「ホテルD」
2018-04-18
長野県菅平から群馬県草津温泉へ抜ける大笹街道に気になる建築があり、ちょっと寄り道を。
土木資材などで使われるコルゲートパイプで造られた「開拓者の家」。
設計は石山修武。1986年。
施主が12年の歳月をかけ、セルフビルドの建築。

昨年、日曜美術館を見ていたら、石山修武がこの建築を訪ねている放送があり、まだそのままの形で住まわれていることの驚きで何としてもと。

当時、同じく石山修武のコルゲートパイプで造られた「幻庵」もそうですが、工業製品を組み合わせて建築してゆく実験的な住宅で、そこには不思議な美しさがあります。

寒そうだし、暑そうだし、住みづらそうな気がしますが、おそらくそんなことを超越した快適さがある魅力ある建築です。

「開拓者の家」から5分位したところに、伊東豊雄の「ホテルD」。1978年。

伊東豊雄の初期の作品。
建築の断片化と建築論を語っていた当時を思い出します。
残念ながら、使われていないようです。
建築誌に取りあげられ、華々しく飾った建築と、密やかに慎ましく時代を過ごした建築。
2つの建築をみて、建築のあり方を感じさせてくれます。